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カーテンの力

 うむ、なかなか部屋がレトロになってきた気がする。

 2013-9-13-2.jpg

 四十オヤジの部屋じゃないなこれ。
 なんか、「死んだ息子の当時の部屋をそのまま保存している」といった感じがしないでもありません。
 だんだん我に返りつつありますが、気がついたら負けだと思っています。

 *

 2013-9-13.jpg

 「演繹の仕事を創造と呼ぶべきではない。あなたは法律家のような仕事をしているが、芸術家のような仕事はしていない。このままでは、量を書いても手塚治虫のようには未来に残りませんよ。」

 「手塚治虫も宮崎監督も一貫したテーマを維持してきた。テーマが人を共感させる。その表現のためには論理性など二の次でよい。もしそれがわからなく、たとえば人気のある漫画の何がよいのかわからないなと思うなら、人を見ていないってことです。しばらく絵画の歴史などたどることをオススメします。」

 先日の日記に投函されたコメントです。
 手塚先生が劇画全盛時、雑誌をアシスタントの前で広げて「この作品の何が面白いのか、僕にわかるように説明してくれ」と半泣きで叫んだ有名な逸話も知らないようですから、そんなに年配の方ではないでしょうが、うんざりするほどよく目にするご意見だったので少し。

 「法律家」「芸術家」の仕事をどう捉えているかはわかりませんが、漫画や映画など、多人数で仕上げる作品は漫画なら「編集さんとの打ち合わせ・ネーム作業・アシスタントさんへの指示」。
 映画ならスポンサーへの企画説明から始まって「設定・絵コンテ・原画」など、気の遠くなるほどの「演繹」の上に成り立っています。

 パッと思いついたものをそのまま提示できるような商業作品などありませんが、芸術作品だって「何をどう伝えるか」くらい考えているでしょう。
 いや、その作品を創造するまでに至った過程こそが壮大な「演繹」であり、全てのものが緻密な積み重ねの上に成立しています。
 また「最後のレストラン」で扱ったサルバドール・ダリのように、細かな計算とマーケティングで作品を作った芸術家もいます。

 漫画にも映画にも芸術にも詳しくない方が私にどのようなご意見を主張したいのかいまひとつわかりませんが、「有名な漫画家や映画監督」「圧倒的に売れているもの」に無条件に与することで、自分自身の価値が上がったと錯覚していませんかねえ。
 
 私たちの仕事は「人と違うこと」が商売になります。
 「他人と少し違った感性」を大切にするのです。
 今まで何人もの新人さんを見て来ましたが、「他者の作ったもの」を手放しで讃えている人達は皆作家になれず消えて行きましたよ。
 まあ、そのおかげで私はこうして飯を食えている訳ですが。

 テーマで作品が売れたら苦労しないんですけどねえ。
 専門的な話になりますが、作品の「受け手」を感動させるのは「テーマ」ではなく「演出」です。
 そのテーマをどこでどう発露させるかというのは緻密な論理と構成・技法に頼る他は無く、宮崎監督はこのために手塚先生が「キャラクターの死」をよく使うことを嫌っていましたね。

 一般の人にはそういう「違う感性」はあまり必要が無いので、安心して好きなものを楽しみつつ「世界にひとつだけの花」とかを歌っていれば良いんだと思います。
 こうして私に反論?するコメントですら自分で考え出したものではないんですから。

 ですので、今後こういったご意見にはお答えしませんからごめんなさい。
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非公開コメント

No title

ちゃんと書くあたり、先生若いですよねー。私なら面倒でスルーですね。
評論家が多いから大変でしょうねぇ・・・。

部屋については、リアルでありそうな話なので言ってはいけません・・・。
暴走も最後まで続けられれば通常走行です・・・多分(笑)










No title

演繹法と帰納法。ぱっと思い浮かべたのは手塚先生の「漫画の描き方」ですね。
漫画好きならあの本は必ず読んでいると思いますよ。
読みきりの作品なら帰納法で描けると思いますが、連載物では演繹にしかならないと思いますよ。あの海賊みたいに。
ブラックジャックでさえ一回一回は帰納法でも大きな物語の流れでは演繹法で物語が大きく広がっていきました。読者もそれを読んでわくわくしたものです。
「レストラン」なんかはそんな感じですね。一回一回はまとまっていて今後の展開が楽しみなところなんかは。

No title

お久し振りでございます。

私も、宮崎駿監督の才能と手腕と功績に関しては大いに尊敬させていただいておりますが、作品の内容というか完成度については、先生と同じく『紅の豚』辺りから「ン・・・?」と思わせられることが多かったので、件の日記における先生の感想には、大いに賛同致します。

「もののけ姫」とかは大いに売れましたが、私としては正直「ラピュタ」に勝っていると思える部分が一個も見つけられなかったです。

手塚治虫氏だって、「一貫して一つのテーマ」をなんて、そんな聖人みたいな人じゃないでしょう。メディアや他人にはどうとでも言うでしょうが、プロの表現者というのはそんな甘い生き物じゃないと思う。
「ブラックジャック創作秘話」とかを読むと、「漫画の神様」というイメージの下に隠れていた手塚氏の生々しい「渇望」みたいなものが感じられて、私なんぞは昔よりかえって好きになりましたけど。








どちらがないの?

えー、ちょいと気に障ったんでコメを。

尚雲祥という中国の武術家がいました。
不器用で覚えが悪く、崩拳という技のみを黙々と磨く彼を、
同門は馬鹿にしたそうです。
ですが、彼は、誰も勝てないくらい強くなりました。
また、十で神童十五で才子二十過ぎればただの人 という諺があります。
小さな偶然で認められた人でも、その人にどんな評価が下されるかは、わかりません。
私の知る限り、手塚先生は、漫画で一発当ててやろう、大金持ちになってやろう、
という方ではなかったそうです。
ただ、漫画が好きで好きで、少しでも面白い作品を書いて、その結果、
皆が認める大作家として名を残されました。

前置きが長くて申し訳ありませんでしたが、要するに、
批判するものが完全な正解を出せるわけが無いのですから、言い方を考えるべきです。(批判者に同調しているわけではなく、批判をするにもマナーがある)
このような人物は、お手軽に評価を得たい、人としての常識のない者。
もしくは、このような言い方では、摩擦を起こすことも判らない、社会的な常識の無い者。

さて、どちらが無い方なんでしょうかね?

PS
最近、仕事でもこういう方とのお付き合いがあり、萎えています。
というわけで、レストラン4巻出してください。
できましたら、私の気が晴れるような、おまけもつけて。
例えば、園場が逆に過去、もしくは未来に行き、ごちそうになってくる話とか・・・

No title

いい感じのレトロ感が出ていますね。
ぜひこのまま、昭和感あふれる書斎を目指してください。コレクションをひとつのインテリアとして活用するって、本当にいいものですね。

僕も、30年くらい前にシールを集めて完成させるウルトラ怪獣の図鑑とか、仮面ライダーのカードとか、ああいうのを残しておかなかったのは残念だなぁ(笑)。残っているのは、スタートレックのLPとか、セーラーマーキュリーのフィギュアだけだからなぁ(爆)。

なんか部屋が前より狭く感じる気が
あとはカメラか使い捨てカメラ、コルクボードに写真ぐらいですかね?


しかしどうでもいいのにも眼を通している分まだまた若さのエネルギーがありますね(笑)
自分ならめんどくせと投げる方が楽なので年をとったなと



小学校の頃からのモットーは人と違う事をやり、同じことをする時は妥協した時
長く中二病患ったかのような苦労ばかりでうまい事行ことは少なかったですが…

No title

『この作品の何が面白いのか、僕にわかるように説明してくれ』

「・・・手塚先生、正直に納得しても周りに面白いとお認めになられますか?」

負けず嫌いで有名の聞こえの高い氏に誰が説明しても結果は同じじゃない
ですかね?


漫画表現とか難しい事はわかりませんが、岡目八目気取りの野暮は無視して
よいかと?漫画が売れれば印税で先生の部屋がさらにカオスになる!
ただそれだけのこと!・・・ん?

SD主任は次刊の裏表紙?となると表紙は主任と誰ですか?楽しみです。

Re: No title

> ちゃんと書くあたり、先生若いですよねー。私なら面倒でスルーですね。
> 評論家が多いから大変でしょうねぇ・・・。

 まあ一度書いておけば何回も同じこと言わずに済むかなあと。
 買って読んでくれるなら、批評も大歓迎なんですけどねえ。

> 部屋については、リアルでありそうな話なので言ってはいけません・・・。
> 暴走も最後まで続けられれば通常走行です・・・多分(笑)

 あとあと模様替したくなったとき、この中途半端にプレミアな品々をどうしたものか。

Re: No title

> 演繹法と帰納法。ぱっと思い浮かべたのは手塚先生の「漫画の描き方」ですね。
> 漫画好きならあの本は必ず読んでいると思いますよ。
> 読みきりの作品なら帰納法で描けると思いますが、連載物では演繹にしかならないと思いますよ。あの海賊みたいに。
> ブラックジャックでさえ一回一回は帰納法でも大きな物語の流れでは演繹法で物語が大きく広がっていきました。読者もそれを読んでわくわくしたものです。
> 「レストラン」なんかはそんな感じですね。一回一回はまとまっていて今後の展開が楽しみなところなんかは。

 あの本は僕にとっても聖典ですねえ。
 子供の頃、毎日読んでましたし、今だに持ってますよ。
 女性の胸と尻は「どんなに大きく描いても良い」らしいです。

 「最後のレストラン」は構成技術的には凄く高度なことをやってるんですけどねえ。
 大変な割に売り上げは渋いですわい。
 玄人向け過ぎるのかも。

Re: No title

> お久し振りでございます。
>
> 私も、宮崎駿監督の才能と手腕と功績に関しては大いに尊敬させていただいておりますが、作品の内容というか完成度については、先生と同じく『紅の豚』辺りから「ン・・・?」と思わせられることが多かったので、件の日記における先生の感想には、大いに賛同致します。
>
> 「もののけ姫」とかは大いに売れましたが、私としては正直「ラピュタ」に勝っていると思える部分が一個も見つけられなかったです。

 そうですねえ、あの辺りから内容と観客動員数が釣り合わなくなって来た気が。
 「もののけ」は映画館で観たんですが、中盤に思わず「ひでえ」と呻きましたっけ。

> 手塚治虫氏だって、「一貫して一つのテーマ」をなんて、そんな聖人みたいな人じゃないでしょう。メディアや他人にはどうとでも言うでしょうが、プロの表現者というのはそんな甘い生き物じゃないと思う。
> 「ブラックジャック創作秘話」とかを読むと、「漫画の神様」というイメージの下に隠れていた手塚氏の生々しい「渇望」みたいなものが感じられて、私なんぞは昔よりかえって好きになりましたけど。

 私も神格化された手塚先生より、承認欲と他の作家への嫉妬心メラメラな先生のほうが好きなんですけどね。
 どうも業種・業界問わず、素人さんは成功者=人格者と考えてしまいがちのようです。
 そうあって欲しいという気持ちはわかるんですけどね。

Re: どちらがないの?

> えー、ちょいと気に障ったんでコメを。
>
> 尚雲祥という中国の武術家がいました。
> 不器用で覚えが悪く、崩拳という技のみを黙々と磨く彼を、
> 同門は馬鹿にしたそうです。
> ですが、彼は、誰も勝てないくらい強くなりました。
> また、十で神童十五で才子二十過ぎればただの人 という諺があります。
> 小さな偶然で認められた人でも、その人にどんな評価が下されるかは、わかりません。
> 私の知る限り、手塚先生は、漫画で一発当ててやろう、大金持ちになってやろう、
> という方ではなかったそうです。
> ただ、漫画が好きで好きで、少しでも面白い作品を書いて、その結果、
> 皆が認める大作家として名を残されました。
>
> 前置きが長くて申し訳ありませんでしたが、要するに、
> 批判するものが完全な正解を出せるわけが無いのですから、言い方を考えるべきです。(批判者に同調しているわけではなく、批判をするにもマナーがある)
> このような人物は、お手軽に評価を得たい、人としての常識のない者。
> もしくは、このような言い方では、摩擦を起こすことも判らない、社会的な常識の無い者。
>
> さて、どちらが無い方なんでしょうかね?

 こういう人は何かを見て感動しようと思っても、「皆が良いと言ってるもの」でないとできないんですかねえ。
 誰も認めなくても、良いものなんていっぱいあるのに。

> PS
> 最近、仕事でもこういう方とのお付き合いがあり、萎えています。
> というわけで、レストラン4巻出してください。
> できましたら、私の気が晴れるような、おまけもつけて。
> 例えば、園場が逆に過去、もしくは未来に行き、ごちそうになってくる話とか・・・

 10月に四巻の作業入りました。
 11月発売ですが、地獄進行なのでどんなオマケをつけられるか。

Re: No title

> いい感じのレトロ感が出ていますね。
> ぜひこのまま、昭和感あふれる書斎を目指してください。コレクションをひとつのインテリアとして活用するって、本当にいいものですね。

 連日ヤフーオークションで荷物が届くので、ウチのお袋が怪しみ始めました。
 知らない人にはタダのゴミ同然ですしねえ。

> 僕も、30年くらい前にシールを集めて完成させるウルトラ怪獣の図鑑とか、仮面ライダーのカードとか、ああいうのを残しておかなかったのは残念だなぁ(笑)。残っているのは、スタートレックのLPとか、セーラーマーキュリーのフィギュアだけだからなぁ(爆)。

 海外ではバットマンの隠し部屋を作った人がいましたけどね。
 「生活の中に溶け込んでいる」感を出すのがなかなか難しいです。
 陳列しておくと「なんか違う」感じですし。

Re: タイトルなし

> なんか部屋が前より狭く感じる気が
> あとはカメラか使い捨てカメラ、コルクボードに写真ぐらいですかね?

 本棚を出したので広くはなってるんですが、棚とか有ったほうが良いですかねえ。
 「ポラロイドカメラ」というのがありましたね。

> しかしどうでもいいのにも眼を通している分まだまた若さのエネルギーがありますね(笑)
> 自分ならめんどくせと投げる方が楽なので年をとったなと

 まあよくある意見なので、一度コメントを返しておけばあとあと面倒くさくないかなと。

> 小学校の頃からのモットーは人と違う事をやり、同じことをする時は妥協した時
> 長く中二病患ったかのような苦労ばかりでうまい事行ことは少なかったですが…

 自分が中学校当時、ネットなんてあったらどんだけのことをやらかしてましたかねえ。
 想像するだに恐ろしい。

Re: No title

> 『この作品の何が面白いのか、僕にわかるように説明してくれ』
>
> 「・・・手塚先生、正直に納得しても周りに面白いとお認めになられますか?」
>
> 負けず嫌いで有名の聞こえの高い氏に誰が説明しても結果は同じじゃない
> ですかね?

 今ならきっと「けいおん」みたいなものを描かれていたでしょう。
 で、うまく行かずに「あんなのは四コマじゃない!」とか言っていそうです。

> 漫画表現とか難しい事はわかりませんが、岡目八目気取りの野暮は無視して
> よいかと?漫画が売れれば印税で先生の部屋がさらにカオスになる!
> ただそれだけのこと!・・・ん?

 ナイト2000も完成に近付きます。
 しかしこちらは作業にも時間が必要なんですよねえ。

> SD主任は次刊の裏表紙?となると表紙は主任と誰ですか?楽しみです。

 組み合わせは既刊を踏襲しますが、服装で差別化しようかなと。
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藤栄道彦

Author:藤栄道彦
漫画家 藤栄道彦です。
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「最後のレストラン」

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連載中です。

「コンシェルジュ」全21巻
「コンシェルジュプラチナム」全10巻
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「妖怪の飼育員さん」1巻
発売中。

Twitter「@michihikotoei」
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