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奮闘中

 「最後のレストラン」コミックスのカラーの締切を教えてもらったら、こないだ打ち合わせした時より微妙に早くなってます。
 進行は依然予断を許さない状況。

 こう連続で仕事が入ってると、スタッフの皆にも都合があるのでポコポコお休みが出ます。
 仕方がないので臨時に入ってくれる人を頼む訳ですが、新しく来てくれた人と作業を円滑にやるのって意外と努力が要ります。
 ベストな体制を整えて仕事に臨めるのが一番良いんですが、なかなかそうはいきません。
 起こったアクシデントにどう対処するかも作家の力の見せ所。
 
 編集さんとのやりとりミスで締切が一週間くらい早くなったことはあったなあ。
 「コンシェルジュ」8巻50話です。
 あの時は徹夜して一晩で20ページの下描きを上げて仕上げましたっけ。
 あとで見返して「絵が荒れてるなあ」とがっくり来たんですが、今見ると当時の絵はかなり乱れてるので、大して変わりませんね。
 なんであんなシッチャカメッチャカなバランスになってたんだろう?

 成人向け漫画なんかを描いている人によくあるんですが、最初はすごく上手いのにだんだん胸とか下半身とかが肥大化して行って、最終的にとんでもない人体を描くようになってしまう現象があります。
 私はそれを見て「なんでこんなことになったんだろう?」と首を傾げていたんですが、意外と描いている本人はバランスの悪さを認識できないのかもしれませんね。
 技術的なものでなく、多分絵を描く時の脳の状態とか、色々あるんだと思います。

 今現在の私の絵はかなり安定したんじゃないかな。
 時々頭身が伸びたり縮んだりするのは気になりますけどね。
 もともとそんなに絵で見せるタイプの作家でも無し。

 しかし今回みたいに、「急遽一作描き上げることになった」というのは前代未聞です。
 なにかとハプニングの起きる業界ではあるけれど、こちらの対処する力にも限界があります。
 しかもここでズレたスケジュールって、半年先くらいまで調整不可能になるんですよね。
 いや、半年先に調整できるかどうかすら怪しい。

 なんかいくら計画立てても無駄な気がして来ました。

 人生常に出たとこ勝負。
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岡田芽武先生は同人から20年描いたシャドウスキルがラスト1巻分のエピソードで完結して別原作作品へ
同時に長く連載していた聖闘士星矢エピソードGも完結しましたが

コンシェルジュも長く読者が付き合える作品なので、死ぬレベルで無理しないで下さいとしか言えませんが、次の話が読めるのを待ちます


あとは単行本が売れますように…

No title

成人向け漫画の場合、はじめは結構描き込んでいる作品は多いですが、掲載が連続してくると、肌にトーンを多用して肉質感を増やすことに熱心になり、描き込みが少なくなるせいか、全体的に平板であったり、白っぽかったりすることをよく見かけます。
センスで描いていらっしゃる漫画家さんは多いですが、自分自身を削って描き続けているせいか、次第に新鮮さを失い、いつの間にか消えてしまう人が多く、とっても残念です。

No title

えーっと、高度に柔軟性を維持しつつ、臨機応変に対応する・・・だったかな・・・。 

以前にも申し上げておりますが、私は先生の描く中年親父達が好きなので、絵で見せる作家であるのもまた事実。

無事をお祈りいたします。

Re: タイトルなし

> 岡田芽武先生は同人から20年描いたシャドウスキルがラスト1巻分のエピソードで完結して別原作作品へ
> 同時に長く連載していた聖闘士星矢エピソードGも完結しましたが
>
> コンシェルジュも長く読者が付き合える作品なので、死ぬレベルで無理しないで下さいとしか言えませんが、次の話が読めるのを待ちます
>
>
> あとは単行本が売れますように…

 「お前はバントしかできないのか!」と打席で野次られるバッターの心境と言うか、そろそろつなぎの役割以外もしてみたいなあと思ったりするんですよ。
 基本注文されたものを仕上げるような仕事ですからねえ。
 ランチメニューだけじゃなくて、たまにはシェフお任せコースも頼んでみない?とか。

 雑誌人気はそこそこ取れるんですが、コミックスはあまり売れないタイプの作家なんですかねえ…。
 いやいやまだこれから。

Re: No title

> 成人向け漫画の場合、はじめは結構描き込んでいる作品は多いですが、掲載が連続してくると、肌にトーンを多用して肉質感を増やすことに熱心になり、描き込みが少なくなるせいか、全体的に平板であったり、白っぽかったりすることをよく見かけます。

 慣れたプロより下手な新人の作品のほうがグッと来る場合多いんですよね、成人向け。
 いや、それは一般誌も同じかも。

> センスで描いていらっしゃる漫画家さんは多いですが、自分自身を削って描き続けているせいか、次第に新鮮さを失い、いつの間にか消えてしまう人が多く、とっても残念です。

 構成をきっちりとやってると、長く・手堅くはやれますがインパクトに乏しいようです。
 私にはインパクトのある持ちネタもありますけれど、ありすぎて大概編集者が難色を示しますね(笑)

Re: No title

> えーっと、高度に柔軟性を維持しつつ、臨機応変に対応する・・・だったかな・・・。 
>
> 以前にも申し上げておりますが、私は先生の描く中年親父達が好きなので、絵で見せる作家であるのもまた事実。
>
> 無事をお祈りいたします。

 中年オヤジじゃ売れないんですよねえ…。
 いや、開き直ってバリエーション豊かな中年オヤジの登場する漫画を描いてみるか?
 例えば毎回毎回、会議室で何かしらの会議をしている所を心理的駆け引きと顔芸で見せるとか。
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プロフィール

藤栄道彦

Author:藤栄道彦
漫画家 藤栄道彦(ふじえい みちひこ)です。
月刊コミックゼノン
「コンシェルジュ」シリーズ

月刊コミック@バンチ
「最後のレストラン」

くらげバンチ
「妖怪の飼育員さん」

「コンシェルジュ」全21巻
「コンシェルジュプラチナム」全10巻
「コンシェルジュインペリアル」全7巻
「最後のレストラン」1〜18巻
「妖怪の飼育員さん」1〜10巻
「流れ飯」全2巻
「アンタゴニスト」(原作)1〜6巻
発売中。

Twitter「@michihikofujiei」
michihiko1971@gmail.com

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