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「最後のレストラン」五巻

 なんだか妙なところで「コミックゼノン」「ぜにょん」の名前が知られてしまったみたいで、描いている身としては残念です。
 それぞれ良い方向に転がってくれると良いんですけどね。

 *

 今日「最後のレストラン」の五巻が届きました。
 
 

 一話完結形式の作品はどんなに頑張ってもだんだんマンネリ化してくるんですよね。
 ちょっとずつ変化させてはいるつもりなんですが、そうするとどうしても「前のほうが良かった」という読者さんが出てくるのが悩みどころです。

 石ノ森先生の「HOTEL」などは最初はどちらかというと特定の主人公を置かず、ホテルに出入りする人間たちを描くオムニバス作品でした。
 内容も陰鬱なものが多かったです。

 これが赤川を主人公に据え、ホテルマンとしての成長を描く中期~後期になるとやけに明るく・ハートフルになるんですが、これは多分ドラマとの折り合いをつけた物で、石ノ森先生が本来描きたかったのは前半の鬱々としたストーリーなんじゃないかなと思ったりします。
 この辺は昔真面目な戦隊漫画だった「秘密戦隊ゴレンジャー」が、テレビ番組のほうがおちゃらけた内容になっていったのに引っ張られて「ゴレンジャーごっこ」というギャグ漫画になってしまったエピソードを彷彿とさせます。
 
 私は最近藤子F先生の作品を読むと、F先生が本当にやりたかったのは永井豪先生の描くような世界だったんじゃないかなと思うことがあります。
 メカ・バイオレンス・戦争・お色気・パロディ。
 「ドラえもん」の中の一編とか、短編集なんかにそれはよく表れてるんじゃないかなと。

 ただ当時F先生がそれをやろうとしたら編集者が止めていたろうし(実際止めていたのかもしれません)、読者に受け入れられていたかもわかりません。

 私は言われたことが無いですが、新人時代担当さんに「そういうの(作品)は偉くなってから描こうね」と言われたという漫画家さんは実際にいます。
 でも、大御所と言われる作家さんでも描きたいものを描きたいように描ける人ばかりじゃないと思うんですけどね。
  「好きなように描いている」という作家さんもいないわけじゃないですが、そちらは私にはおそらく一生理解できない世界です。
 私の作風は読者さんとの合意形成を第一にしているから、良い意味でも悪い意味でも意外性が無いんですよねえ。
 この辺の壁を破りたくて「最後のレストラン」のラスプーチンをあんな風にしてみたんですが、何をやっても最終的には小ぢんまりしてしまうような。 

 まあこの「ほどほど感」が私は「好き」なのかもしれません。
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発売ですね(^^)

先生の単行本は4コマや表紙裏などサービス精神があって、本誌で内容を読んでいても単行本を買う楽しみがあるのが読者としても嬉しいんですよね。
発売楽しみにしております♪

一話完結の漫画は読後感がいいので好きですねぇ。いつでも何となく手に取って読みやすいですし。続き物のマンガは読んでいるうちは楽しいんですが、いい所で「つづく」というのが意外とストレスでもある訳で。

コンシェルジュは基本路線として、最後の〜はやや冒険して描いている印象ですよね。
ただ私見ですが、もっと露骨にパロディネタや漫画的なウs…いいウソをちりばめてもいいのかななんて思います。と言ってもゆるキャラのエピソードは結構スリリングでしたがw

だんだん変化するという意味ではすごく自然な変化で好きですね。元々繊細な人物表現が物語の核になっている訳ですし。修行したり秘められた力が覚醒するとかではなく(笑)人間が強くなる、成長する、仲間との絆が深まるってちょうどこういう感じだなぁと納得できるんですよね。

手塚先生も「劇画が嫌いだったものの時代の流れに逆らえず仕方なく描いた時期があった」という話がありますね。火の鳥など初期はかなりマンガマンガしていましたが段々と劇画的になっていったのは印象的でした。もっとも結果的に火の鳥をはじめブラックジャックや陽だまりの樹なども劇画的な表現技法を取り入れた事で、より高度に世界観を見せる事に成功したというのも面白いというか皮肉というか…。

Re: 発売ですね(^^)

> 先生の単行本は4コマや表紙裏などサービス精神があって、本誌で内容を読んでいても単行本を買う楽しみがあるのが読者としても嬉しいんですよね。
> 発売楽しみにしております♪
>
> 一話完結の漫画は読後感がいいので好きですねぇ。いつでも何となく手に取って読みやすいですし。続き物のマンガは読んでいるうちは楽しいんですが、いい所で「つづく」というのが意外とストレスでもある訳で。
>
> コンシェルジュは基本路線として、最後の〜はやや冒険して描いている印象ですよね。
> ただ私見ですが、もっと露骨にパロディネタや漫画的なウs…いいウソをちりばめてもいいのかななんて思います。と言ってもゆるキャラのエピソードは結構スリリングでしたがw

 ありがとうございます。
 コミックスはどの作家も巻数を重ねる度に部数が減って行くのが普通なんですが、私の場合ほとんど変わらないんですよ。
 しかも全作品。
 一定のお客さんがず〜っと買い続けてくれているわけで、ありがたいことです。

> だんだん変化するという意味ではすごく自然な変化で好きですね。元々繊細な人物表現が物語の核になっている訳ですし。修行したり秘められた力が覚醒するとかではなく(笑)人間が強くなる、成長する、仲間との絆が深まるってちょうどこういう感じだなぁと納得できるんですよね。

 例えば刑事物で「一見無能な人間が事件を解決して行く」という話を描いたとして、どんどん事件を解決していくのに周囲の人間のその人に対する見方や態度が変わらなかったらおかしいと思うんですよ。
 でも読んでいる読者さんからすると「初期のバカにされている刑事が事件を解決するという展開が好きだった」という話になる訳で、この辺はどうしようもないんですよねえ。

> 手塚先生も「劇画が嫌いだったものの時代の流れに逆らえず仕方なく描いた時期があった」という話がありますね。火の鳥など初期はかなりマンガマンガしていましたが段々と劇画的になっていったのは印象的でした。もっとも結果的に火の鳥をはじめブラックジャックや陽だまりの樹なども劇画的な表現技法を取り入れた事で、より高度に世界観を見せる事に成功したというのも面白いというか皮肉というか…。

 まあ鳥山先生も、ドラゴンボール中盤から終盤のような殺伐とした展開は本当は嫌だったんだと思うんですよ。
 ところが一般読者はそれを大歓迎した訳で、まったく不思議と言うか、因果な商売です。

No title

そろそろkindle版も出していただけたら…
日本の出版社のほとんどがそうだと思うのですが便利だと思ってkindleで買ったら
後続刊が出ないというのはどういうことなんでしょうね…価格は紙と同じでも全く
問題ないんですが…

Re: No title

> そろそろkindle版も出していただけたら…
> 日本の出版社のほとんどがそうだと思うのですが便利だと思ってkindleで買ったら
> 後続刊が出ないというのはどういうことなんでしょうね…価格は紙と同じでも全く
> 問題ないんですが…

 申し訳ないです。
 電子書籍版とかに関しては私は関与していないのでなんとも…。
 でも、なんだか権利関係がいろいろと厳しいらしいんですよ。
 全ての電子書籍で扱ってもらったほうが、作家さんには利益になるんですけどね。
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プロフィール

藤栄道彦

Author:藤栄道彦
漫画家 藤栄道彦です。
月刊コミックゼノン
「コンシェルジュ
 インペリアル」

月刊コミック@バンチ
「最後のレストラン」

くらげバンチ
「妖怪の飼育員さん」
連載中です。

「コンシェルジュ」全21巻
「コンシェルジュプラチナム」全10巻
「コンシェルジュインペリアル」1〜4巻
「最後のレストラン」1〜8巻
「妖怪の飼育員さん」1巻
発売中。

Twitter「@michihikotoei」
michihiko1971@gmail.com

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